総合演習と理解度チェック
数値計算と概念を問う問題を交互に解き、1 次元スカラー版カルマンフィルタの流れを通しで確認する。
最後は総合問題で仕上げです。数値計算と概念を問う問題を交互に解いて、1 次元スカラー版カルマンフィルタの流れを一通り確認してください。
総合演習の進め方
「まず数値を追う → 次に設定の意味を判断する」という順で解いてください。手計算問題は紙に途中式を書くと定着しやすくなります。問題は Q1〜Q12 の通し番号で並んでいます。
総合演習 1 — 1 ステップ目を通しで出す(Q1〜Q4)
初期値 x̂₀ = 0、P₀ = 3、Q = 1、R = 4、最初の観測 z₁ = 8 で、予測 → 更新の流れを 1 本追います。
Q1. Q1: 予測分散 P₁⁻ = P₀ + Q はいくつですか。
P₁⁻ = 3 + 1 = 4。
Q2. Q2: カルマンゲイン K₁ = P₁⁻ / (P₁⁻ + R) はいくつですか。
K₁ = 4 / (4 + 4) = 0.5。
Q3. Q3: 更新後の推定値 x̂₁ はいくつですか。
観測と予測の差は 8 − 0 = 8、x̂₁ = 0 + 0.5 × 8 = 4。
Q4. Q4: 更新後の分散 P₁ はいくつですか。
P₁ = (1 − 0.5) × 4 = 2。
総合演習 2 — 2 ステップ目に引き継ぐ(Q5〜Q8)
前問の結果 x̂₁ = 4、P₁ = 2 を使って、2 回目の観測 z₂ = 6 を処理します。
Q1. Q5: 予測分散 P₂⁻ はいくつですか。
P₂⁻ = 2 + 1 = 3。
Q2. Q6: カルマンゲイン K₂ はいくつですか。
K₂ = 3 / (3 + 4) ≈ 0.4286。
Q3. Q7: 更新後の推定値 x̂₂ はいくつですか。
観測と予測の差は 6 − 4 = 2、x̂₂ ≈ 4 + 0.4286 × 2 ≈ 4.8571。
Q4. Q8: 更新後の分散 P₂ はいくつですか。
P₂ ≈ (1 − 0.4286) × 3 ≈ 1.7143。
総合演習 3 — 設定の意味を判断する(Q9〜Q12)
最後は数値計算と概念を問う問題を交互に解きます。設定の意味を言葉で説明できるか確認します。
Q1. Q9: 「観測はかなり良いが、モデルはあまり当てにならない」状況に近い組み合わせはどれですか。
モデルが外れやすいなら Q を大きく、観測が信頼できるなら R を小さく設定します。
Q2. Q10: 次のうち、「より滑らかだが、変化への追従は遅い」推定を生みやすい組み合わせはどれですか。
Q を小さく R を大きくすると、予測側を強く残すので滑らかになりますが、急な変化には遅れます。
Q3. Q11: 予測分散 P⁻ = 0.5、観測ノイズ R = 4 のときのカルマンゲイン K はいくつですか。
K = 0.5 / (0.5 + 4) ≈ 0.1111。予測の不確かさが小さく、観測はやや怪しいので、観測には少ししか寄りません。
Q4. Q12: 1 次元スカラー版カルマンフィルタの流れを最も適切に言い表しているものはどれですか。
カルマンフィルタは「予測 → 観測との差を見る → カルマンゲインで混ぜる → 分散も更新する」の繰り返しです。
ここまで理解できるとできること
K と P の式で説明できます。