合同会社小村ソフト
第 5 章

スライダと手計算で体感する

シミュレータでの見え方と、手計算で得た 1〜2 ステップの数値を往復し、式と挙動を結びつける。

ここではシミュレータを触りながら、1〜2 ステップ分は手計算でも追えるようにします。「動きを見る」と「式を追う」を往復すると、理解がかなり定着します。本章は次の流れで進みます: (1) シミュレータの操作方法を確認 → (2) スライダを動かして挙動を体感 → (3) 1〜2 ステップ目を手計算で追う → (4) 体感した挙動を言葉で説明する

インタラクティブ・シミュレータ

真値・観測・推定・不確かさ帯を同時に表示します。スライダを変えたら リセット して、同じ系列をもう一度見比べてください。

見るべき 4 つ

  1. 灰色の観測点がどれだけ散っているか
  2. 青い推定線が観測をどれだけ追うか
  3. 薄青の帯(±σ)がどれだけ広いか
  4. K が 0 に近いか 1 に近いか

試してほしい操作

  • Q を上げて、モデルを疑う
  • R を上げて、観測を疑う
  • P₀ を上げて、最初の数ステップの動きを見る
  • Seed を固定して条件だけ変え、挙動差を比較する

理解チェック 1 — 1 ステップ目を手で追う

初期値 x̂₀ = 10P₀ = 1Q = 1R = 4、最初の観測 z₁ = 12 での 1 ステップ目を順に計算します。

Q1. 予測分散 P₁⁻ = P₀ + Q はいくつですか。

Q2. カルマンゲイン K₁ = P₁⁻ / (P₁⁻ + R) はいくつですか。

Q3. 更新後の推定値 x̂₁ はいくつですか。

Q4. 更新後の分散 P₁ = (1 − K₁)P₁⁻ はいくつですか。

シミュレータと手計算をつなぐ

シミュレータの読み出し欄には、その時点の x̂⁻P⁻K、イノベーション、更新後の P を表示しています。1 ステップずつ進めながら、数式と画面が一致しているかを確かめてください。

理解チェック 2 — 2 ステップ目に引き継ぐ

1 ステップ目の結果 x̂₁ ≈ 10.667P₁ ≈ 1.333 から、2 回目の観測 z₂ = 11 を処理します。

Q1. 予測分散 P₂⁻ = P₁ + Q はいくつですか。

Q2. カルマンゲイン K₂ はいくつですか。

Q3. 更新後の推定値 x̂₂ はいくつですか。

Q4. 更新後の分散 P₂ はいくつですか。

理解チェック 3 — 挙動の特徴を言葉で説明する

シミュレータでスライダを動かしたときの挙動を、言葉で表現します。

Q1. シミュレータで R を大きく下げたとき、もっとも起きやすい変化はどれですか。

Q2. 青い推定線を「なめらかだが少し遅れる」状態にしたいとき、もっとも近い設定はどれですか。