区間を変える・足し合わせる — λ を変換する
粒度変換と合計件数の読み替え。λ は比例で変換でき、独立なポアソン分布同士はλの和でまとめられる。
λ は区間をまたいで適用できる
Poisson を使うときは、まず「基準の率」を自分が見たい区間へ変換する感覚が大切です。さらに独立な流入源なら、その λ 同士をそのまま足せます。
第 3 章で見たように、λ が変われば平均も分散も同じ λ で動きます。つまり「区間を変えると λ が動く」というのは、同時に「平均も分散も連動して動く」ことを意味します。本章では区間変換と独立和を扱いますが、その裏側では常に Ch3 の「平均 = 分散 = λ」が一緒に動いていると考えてください。
独立な 2 つの 30 分区間を 1 本の 60 分として見ると、λ は足し算で 5 になります。
時間幅を変えると λ も比例して変わる
Poisson の平均件数 λ は、観測する区間の長さに比例します。1 分あたり平均 0.5 件なら、2 分では 1 件、10 分では 5 件という具合です。
λ_new = λ_base × (新しい区間 / 基準区間)- 1 時間で
λ = 6→ 30 分でλ = 3(半分) - 1 時間で
λ = 6→ 2 時間でλ = 12(2 倍)
理解チェック 1 — 区間の長さを変える
同じ率のまま区間だけを変えると、λ がどう動くかを確かめます。
Q1. 1 時間あたり平均 6 件の問い合わせ。30 分区間で見たときの λ はいくつですか。
区間が半分になれば λ も半分。λ = 3。
Q2. 同じ 1 時間 6 件の問い合わせを 2 時間で見たときの λ はいくつですか。
区間を 2 倍にすると λ も 2 倍。λ = 12。
独立な Poisson は足し合わせられる
別々のサービスや、隣り合う区間をまとめた総件数を考えたいとき、独立な Poisson 同士なら平均件数を足し算できます。
X ~ Poisson(λ₁), Y ~ Poisson(λ₂) → X + Y ~ Poisson(λ₁ + λ₂)この性質のおかげで、細かい粒度で観測したデータを粗い粒度へ集約したり、複数の流入源をひとまとめにしたりできます。
理解チェック 2 — 独立な Poisson を足す
独立な Poisson 同士は、平均件数を足し算でまとめられます。
Q1. 10 分あたり Web 側 1.2 件、DB 側 0.8 件が独立に起きるとします。10 分全体の合計件数の λ はいくつですか。
独立なら λ を足せる: 1.2 + 0.8 = 2.0。
Q2. 5 分区間で λ = 0.5 の系を、同じ率のまま 20 分に伸ばすと λ はいくつになりますか。
20 分は 5 分の 4 倍なので 0.5 × 4 = 2.0。
「区間を伸ばす」と「区間を足す」は同じ見方
30 分を 2 つ並べて 60 分にするのは、1 つの長い区間として見ても、2 つの短い区間を足したと見ても同じです。どちらの見方でも λ が足し算になることを覚えておくと、実務でかなり使えます。
理解チェック 3 — 隣り合う区間をまとめる
「区間を伸ばす」と「区間を足す」は同じ見方。どちらでも λ は足し算です。
Q1. 連続する 15 分区間が 2 つあり、どちらも λ = 1.5 です。まとめた 30 分の λ はいくつですか。
1.5 + 1.5 = 3.0。
第 4 章のまとめ
- 区間の長さを変えると
λも比例して変わる。 - 独立なポアソン分布同士は
λの和でまとめられる。 - 粒度変換と合計件数の読み替えが、Poisson の実務での強み。
λが動けば、Ch3 の平均・分散・相対的ばらつきも同じλで連動して動く。