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第 2 章

モノマーと重合 — どうやって長い鎖になるか

付加重合と縮合重合を分け、モノマーから繰り返し単位がどう生まれるかを見られるようになる。

このページで先に知っておく言葉

付加重合
二重結合などが開いて、そのまま鎖につながっていく重合。
縮合重合
官能基どうしが反応し、水やメタノールなどの小分子が出ながら進む重合。
二重結合
炭素同士が 2 本ぶん結びついた状態。開いてつながることがある。
副生成物
主生成物とは別にできる小さな分子。縮合重合で現れやすい。
共重合
2 種類以上のモノマーを混ぜて 1 本の高分子を作ること。
開始剤
反応を起こすきっかけとなり、反応の中で消費される役割のもの。ラジカル開始剤などが代表例。
触媒
反応を進みやすくする役割をもち、原則として反応中に再生されて消費されないもの。チーグラー・ナッタ触媒などが代表例。

高校化学との橋渡し

高校化学では、C=C の二重結合が反応することや、カルボン酸とアルコールが反応してエステルと水ができることを学びます。高分子の重合も、その延長線上にあります。

付加重合 — 二重結合を開いてつなぐ

エチレン、プロピレン、スチレン、塩化ビニルのように、二重結合をもつモノマーでは、結合が開いて隣と結合し、鎖が成長します。これが付加重合です。

付加重合では、繰り返し単位の骨格はモノマーにかなり近く、PE、PP、PS、PVC のような代表的な熱可塑性樹脂につながります。

付加重合と縮合重合の違いを左右に並べた概念図

左は付加重合、右は縮合重合。『二重結合を開くのか』『官能基どうしを結ぶのか』を見ると混ざりにくくなります。

縮合重合 — 官能基どうしを結んで小分子が出る

PET やナイロンの代表例では、ジカルボン酸とジオール、あるいはジアミンのように、両端に反応点を持つ分子どうしが結びつきます。このとき水やメタノールのような小分子が出やすいので、縮合重合と呼びます。

ここでは、モノマー 1 個の形そのものより、結ばれたあとに何が繰り返し単位として残るかを見るのが大事です。

付加重合と縮合重合の見分け方

見る点付加重合縮合重合
出発物質二重結合をもつモノマーが多い官能基をもつ 2 官能以上のモノマーが多い
反応の見方結合が開いて鎖が伸びる官能基どうしが結びつく
小分子の放出基本的には出ないと考えてよい水、メタノールなどが出やすい
代表例PE、PP、PS、PVCPET、ナイロン、ポリエステル樹脂

共重合で性質を調整する

1 種類だけでなく、2 種類以上のモノマーを混ぜて作ると、硬さ、透明性、接着性、耐衝撃性などを調整しやすくなります。これが共重合です。

したがって、樹脂名を見たときは『ホモポリマー 1 種だけなのか、共重合体なのか』も性質を読む手がかりになります。

反応点が多いと網目になりやすい

両端の 2 点だけでなく、3 点以上でつながれるモノマーが増えると、1 本の鎖ではなく網目構造になりやすくなります。これは後の章で出てくる熱硬化性樹脂の入口です。

この章のひとことでまとめ: 重合は『二重結合を開く付加重合』と『官能基どうしを結んで小分子が出る縮合重合』に分けて考えると整理しやすい。

理解チェック — 重合の見分け方

付加重合と縮合重合、共重合の考え方を固めるための 6 問です。

Q1. エチレンからポリエチレンを作る代表的な重合として、もっとも近いものを選んでください。

Q2. PET を入門的に説明するとき、もっとも近い重合の型はどれでしょうか。

Q3. 付加重合で最初に注目しやすい構造はどれでしょうか。

Q4. 共重合の説明として正しいものを選んでください。

Q5. 3 点以上でつながれるモノマーが増えると、どんな構造になりやすいでしょうか。

Q6. 開始剤や触媒の役割として、もっとも近いものを選んでください。

第 2 章のまとめ

  • 付加重合は、二重結合を開いて鎖が伸びる見方。
  • 縮合重合は、官能基どうしが結び、小分子が出やすい見方。
  • 共重合や反応点の数を見ると、材料の性質や網目化のしやすさが読める。