PC101
合成高分子化合物を図と演習で理解する
レジ袋・ペットボトル・衣類繊維・耐熱ハンドル — 身の回りの「同じプラスチックに見えるのに役割が違うもの」をたどると、すべて合成高分子に行き当たります。この講座では、図と短い演習で、長い鎖の化学と材料としての挙動を両面から読み、製品から逆引きして材料を理解できる地図を作ります。前提知識は不要で、必要な化学用語はその都度ミニレッスンで補います。
図 → 用語 → 関係性
全 40 問
ブラウザ内採点
localStorage 保存
所要
3〜4 時間
問題数
全 40 問
形式
7 章 + 用語カード + 小問
費用
無料
この版の前提: 化学の専門教育は不要です。エチレン・二重結合・エステル結合といった用語が出てきますが、すべて各章のミニレッスンで補い、構造式の暗記や反応機構の詳説は要求しません。実物の材料選定では、講座の方向感ではなくデータシート・SDS・法規制・試験結果を優先してください。
モノマー → 重合 → 鎖の形 → 材料の種類 → 成形・リサイクル、という流れを最初に 1 枚で持っておくと、細かい樹脂名が追いやすくなります。
最初に読む用語集
高分子 (polymer)
小さな単位が多数つながってできた、分子量の大きい分子。
合成高分子
人が化学反応で作った高分子。プラスチック、合成繊維、合成ゴムなどが含まれる。
モノマー (monomer)
高分子を作る前の小さな分子。単量体。
重合 (polymerization)
モノマー同士をつないで高分子を作る反応。
繰り返し単位 (repeat unit)
高分子鎖の中で何度も現れる基本部分。
分子量
分子の重さの目安。高分子では鎖の長さと強く関係する。
分岐
主鎖から横に枝が出たつながり方。詰まり方や柔らかさが変わる。
架橋
鎖と鎖が橋でつながった状態。網目構造になりやすい。
結晶性
鎖が規則正しく並びやすい性質。硬さや耐薬品性、透明性に影響する。
ガラス転移
非晶部分の鎖が動きやすくなり、硬い状態から柔らかい状態へ移行する温度域。
熱可塑性
加熱すると軟化し、冷やすと固まる挙動。再成形しやすい。
熱硬化性
硬化すると網目が固定され、加熱しても簡単には溶けて流れない挙動。
添加剤
色、柔らかさ、耐熱、難燃性などを調整するために加える成分。
機械的リサイクル
回収した材料を洗浄・粉砕・再溶融して、もう一度材料として使う方法。
この講座で繰り返し使う 5 つの見方
- まず身の回りの製品から逆引きして「同じに見えるのに役割が違うのはなぜか」を問い、『小さい分子がつながって長い鎖になる』という地図を持つ。
- 付加重合か、縮合重合かで、つながり方の違いを見る。
- 直鎖・分岐・架橋の違いから、熱や変形への挙動を読む。
- 分子量・結晶性・ガラス転移で、硬さ・柔らかさ・透明性の方向感をつかむ。
- 用途だけで覚えず、成形とリサイクルまで一続きで考える。
章構成
1 導入 — 身の回りの製品から逆引きする
5 問。デスク周りの製品 (PET / PE / PP / PVC / PS / 合成繊維 / 熱硬化) から、合成高分子を「長い鎖の分子」としてつかみます。
2 モノマーと重合 — どうやって長い鎖になるか
6 問。付加重合と縮合重合を分け、モノマーから繰り返し単位がどう生まれるかを見ます。
3 分子の形と性質 — 分子量・分岐・結晶性・ガラス転移
6 問。分子量・分岐・結晶性・ガラス転移から、硬さ・柔らかさ・透明性・耐熱の方向感をつくります。
4 主要な合成高分子 — PE・PP・PVC・PS・PET
6 問。代表的な熱可塑性樹脂 5 種を、構造の見方と用途の両方から整理します。
5 繊維・ゴム・熱硬化性樹脂 — ナイロン・アクリル・SBR・エポキシ
6 問。プラスチック以外の合成高分子材料を、繊維・ゴム・熱硬化性樹脂の 3 区分でつかみます。
6 成形・添加剤・リサイクル — どう作り、どう戻すか
5 問。樹脂をどう成形し、何を加え、どう回収するかを 1 枚の流れでつかみます。識別表示と材質表示の違いも整理します。
7 総合演習 — 材料選択をつなぐ
6 問。要求性能・加工法・回収まで同時に見て、材料選択を総合的に判断できるようになります。
読み進め方のコツ
- 最初から厳密な数値や略号を全部覚えなくて大丈夫です。まずは「なぜその性質が出るか」を見ます。
- 各章は冒頭の用語カードと「橋渡し」を 1 〜 2 分で読んでから本文に入ると、用語負荷が大幅に軽減されます。
- 樹脂名が出たら、まず「熱可塑性か / 熱硬化性か / ゴムか」を確認すると迷いにくくなります。
- 製品名ではなく、ベース樹脂と添加剤を分けて考えると整理しやすくなります。
- 実際の材料選定では、データシート・SDS・法規制・試験結果を優先してください。