ガイド付きシミュレータ — PNA とカットを動かす
先に 3 つのガイド操作で『読み方』を固定してから、PNA 比率とカットを自由に動かして指標の変化を本文とつなげて読む。
このページで先に知っておく言葉
高校化学との橋渡し: モル比の問題で、まず係数や比をそろえてから考えたはずです。このシミュレータでも同じで、P / N / A の生の重みをいったん 合計 100% に直してから計算します。
最初は『遊ぶ』のではなく『なぞる』
シミュレータが目の前にあると、つい全部のスライダを操作しがちですが、最初は自由操作を 5 分だけ我慢してください。先に 3 つのなぞるべき操作で、カットの軸と組成の軸のどちらが何を動かすのかを切り分けます。これは「カットと PNA を混同しがち」という、初学者がいちばん引っかかりやすい点を先に分離するためです。
- ガイド 1 — カットの軸だけを動かす: 「バランス」を押し、組成は触らずカットのスライダだけを 25 → 80 へ動かす。
読みたいこと: 平均炭素数と沸点が上がり、相対揮発性が下がる。これがカットの正体です。 - ガイド 2 — 組成の軸だけを動かす: カットを 55 で止めて、PNA のスライダだけを「軽質パラフィン寄り → 改質向き」へ動かす。
読みたいこと: 平均炭素数や沸点はあまり動かないのに、改質適性とオクタン価の傾向が変わる。これが組成の正体です。 - ガイド 3 — 第 4 章のワークドエグザンプルを再現する: 「軽質パラフィン寄り → バランス → 改質向き → 芳香族リッチ」の順にプリセットを押し、それぞれが第 4 章の「切る・並べ替える・寄せる」のどれに近いかを声に出す。
3 つのガイドが終わってから、自由に動かしてください。先に読み方を固定すると、自由操作で迷子になりにくくなります。
見ているもの
- カットは、軽質 ↔ 重質の位置を表します。重質側ほど平均炭素数は上がります。
- P / N / A のスライダは、生の重みです。計算では正規化して比率へ直します。
- 相対指標は『どの方向へ動くか』をつかむためのものです。
PNA × カット 概念シミュレータ
このシミュレータは、実測値を予測する装置モデルではありません。軽い / 重い と PNA の違いが、どの指標をどう動かすかを見るための概念モデルです。
55
45
35
20
正規化した組成
- P
- 45%
- N
- 35%
- A
- 20%
平均炭素数と沸点範囲
- 平均炭素数
- 8.0
- 沸点の始点
- 60.3 °C
- 沸点の終点
- 152.8 °C
相対指標
読み取りメモ
中間的なカットと組成です。下流の向きは、前処理や規格条件しだいで揺れると読めます。
試してほしい 4 つの操作
- 「軽質パラフィン寄り」を押して、水蒸気分解適性が高めになることを見る。
- 「改質向き」を押して、改質適性とオクタン価の傾向が上がることを見る。
- 同じプリセットのまま、カットだけを重質側へ動かして相対揮発性が下がることを確かめる。
- 「芳香族リッチ」を押して、相対密度とオクタン価の傾向が上がる方向を見る。
この章のひとことでまとめ: シミュレータでは、カットは『軽さ・重さ』を、PNA は『性格の違い』を担当していると考えると読みやすくなります。
理解チェック — シミュレータの読み方
シミュレータの表示が本文の内容とつながって見えるか確かめる 4 問です。
Q1. 『軽質パラフィン寄り』プリセットを押したとき、高く出やすい適性はどれでしょうか。
軽質かつパラフィン分が多い側は、水蒸気分解の文脈と相性が見えやすくなります。
Q2. 『改質向き』プリセットで一番厚くしている分子群はどれでしょうか。
改質向きプリセットではナフテンを厚めにして、改質とのつながりを見やすくしています。
Q3. 組成をそのままにしてカットを重質側へ動かすと、相対揮発性はどうなりやすいでしょうか。
同じ組成でも、重い側を多く含めるほど揮発性は下がります。
Q4. 『芳香族リッチ』プリセットで上がりやすい相対指標はどれでしょうか。
芳香族が増えると、この概念モデルでは密度とオクタン価の傾向が上がりやすくなります。
第 5 章のまとめ
- カットを重質側へ動かすと、平均炭素数は上がり、揮発性は下がる。
- パラフィンが厚いと分解の文脈、ナフテンが厚いと改質の文脈が見えやすい。
- 芳香族は密度とオクタン価の傾向を押し上げやすい。