可行領域 — 制約の交わりを図で見る
切片・可行判定・交点を自力で計算し、可行領域の形を手で把握する。
各制約は「境界線と、その片側」を表します。全部を同時に満たす部分だけが可行領域です。
可行領域の形を言葉でつかむ
図が見えない環境のために、本講座の例題の可行領域を言葉で記しておきます。
- 場所: 第 1 象限(
x ≥ 0かつy ≥ 0)の内側だけ。 - 頂点:
(0, 0)、(8, 0)、(6, 4)、(0, 7)の 4 点を結んだ凸四角形。 - 境界: 下辺と左辺が座標軸、右辺は
2x + y = 16、上辺はx + 2y = 14。
制約が増えても基本構造は同じで、境界線が増えると角が増えた凸多角形になります。
不等式は「線のどちら側か」を指定する
2x + y ≤ 16 は、境界線 2x + y = 16 のうち「それ以下の側」を意味します。x + 2y ≤ 14 も同じです。
このように、1 本の不等式は平面を境界線で 2 つに分けたうち、片側だけを残します。この片側の領域を 半平面と呼びます。LP の可行領域は 複数の半平面の共通部分、つまりすべての制約が同時に許す領域です。
境界線はまず切片で描く
境界線を描く最短ルートは、x 軸との交点と y 軸との交点を求めることです。
2x + y = 16の切片は(8, 0)と(0, 16)x + 2y = 14の切片は(14, 0)と(0, 7)
ただし実際の可行領域では、両方の制約を同時に満たす部分だけが残ります。
理解チェック 1 — 境界線の切片
境界線を描くときは、まず軸との交点を取ると早くなります。
Q1. 境界線 2x + y = 16 で y = 0 とおくと、x はいくつでしょうか。
y = 0 を代入すると 2x = 16 なので x = 8。x 切片は (8, 0)。
Q2. 境界線 x + 2y = 14 で x = 0 とおくと、y はいくつでしょうか。
x = 0 を代入すると 2y = 14 なので y = 7。y 切片は (0, 7)。
可行判定は「代入して確かめる」
ある点が可行かどうかは、すべての制約に代入して確認します。たとえば点 (5, 4) なら、
2×5 + 4 = 14 ≤ 165 + 2×4 = 13 ≤ 14
なので可行です。残量まで計算すると、どの制約が効き始めているかも見えてきます。
理解チェック 2 — 残量と超過量
可行な点では残量を、不適な点では超過量を計算してみます。
Q1. 点 (x, y) = (5, 4) の切断工程の残り時間を入力してください。
16 − (2×5 + 4) = 16 − 14 = 2 時間残ります。
Q2. 同じ点 (5, 4) の仕上工程の残り時間を入力してください。
14 − (5 + 2×4) = 14 − 13 = 1 時間残ります。
Q3. 点 (7, 3) では、切断工程の制約 2x + y ≤ 16 を何時間超えるでしょうか。
2×7 + 3 = 17 なので、上限 16 を 1 時間超えます。この点は可行ではありません。
交点は頂点候補になる
2 本の制約がちょうど等号でぶつかる点は、可行領域の頂点候補になります。
2x + y = 16
x + 2y = 14
この連立方程式を解くと、両制約の交点が求まります。
理解チェック 3 — 2 本の制約の交点
2 本の制約がちょうど等号でぶつかる点は、可行領域の頂点候補になります。
Q1. 連立 2x + y = 16、x + 2y = 14 の解の x を入力してください。
1 本目を 2 倍して 4x + 2y = 32、2 本目を引くと 3x = 18 なので x = 6。
Q2. 同じ連立の解の y を入力してください。
x = 6 を 2x + y = 16 に戻して y = 4。交点は (6, 4)。
第 3 章のまとめ
- 各不等式は、境界線とその片側を表す。
- 可行領域は、すべての制約を同時に満たす点の集合。
- 境界線の交点は、後で最適性を調べる重要な頂点候補になる。